序章ー1.過去三年間のメインテーマ

「経営ノート二〇一一」
──執念の経営
 
リーマンショックの後、華々しかった新興のベンチャーが次々とつぶれ、しぶとく残った企業の共通点は、社長の執念でした。(図1)

かつてGEの名経営者だったジャック・ ウェルチは、シリコンバレーの有名ベンチャーが、そろって危機にあった時期、夫々の経営者に、「もっとタフになれ!」とアドバイスしたそうです。
 
経営者は危機を乗り越えると、タフになります。そして、乗り越えるには、経営者の執念が必要でした。今でも、「経営者の最大の資質は?」
との質問には、「執念」と答えています。しぶとい人にはかなわんもんね。(笑)
「経営ノート二〇一二」
──跳ぶ年
 
一〇年ごとにビジネス環境が大きく変化します。そろそろ、この年に大変化が起きそうだと思い、このテーマにしました。
 
二〇一二年の終わりでした。何かが変わりました。アベノミクスを決して想定した訳ではないのですが、やはり、節目の年だったような気がします。
「経営ノート二〇一三」
──残存者利益を得る
  「最後の氷売りは必ず儲かる」という言い伝えがあります。マクロ的には日本は人口減ですが、 それ以上に、事業者(プレーヤー)が減っています。だったら踏ん張って、勝ち残ったら、「残り物に福が転がり込む」のではないか?
 
と思ったからです。
中小企業は、後継者難です。あと一〇年もしますと、もっと廃業する会社が増えます。
 
何が何でも、事業を継がせる!

その他こんなことも

──経済で自社の経営を考えてはいけない
 
成熟した先進国の経済はリアル経済(実体経済)ではなく、すべて、バーチャル経済ではないか?
と触れました。このテーマは、
本書のメインテーマに引き継ぎました。
──海外に出て分かった
  
日本のビジネスチャンス
 
弊社も、遅ればせながら、カンボジアに出先を出しました。その経験を踏まえての話です。
 
中国に抜かれたとはいえ、まだまだ日本は経済大国で、購買力がある国です。国内だって十分にチャンスがあります。
 
海外展開も重要ですが、国内のビジネスに目をつける、これもチャンスではないか?
 
経営は時に「逆を行く」ことがチャンスを生むこともあります。
──本当にデフレか?
 
デフレを分解してみると、モノはデフレ、でもサービスは、デフレになっていませんでした。
特に電気製品の下落がひどかったので、全体の消費者物価指数の足をひっぱって、デフレの統計になったんですね。
 
ああ、モノ作りからサービスの時代になったんだなーと実感しました。
 
ですから、「モノからコトへ」つまり、モノだけ売ってはダメ、サービスを付加しなければ利益が取れない時代になりました。
──中小、零細だって十分勝機あり
 
小売り、飲食などサービス業と言う業態は、ナショナルチェーンと言われる大手だって、全国的にシェアが取れません。

 
と言うことは、中小だってまだまだ勝機あり、この縮む日本で。
 
サービス業は、局地戦です。地域で勝てばいい、こんなことも書きました。
──会社は粗利が高くないと生きられない時代
 
ノロウイルスが出たとします。ホテルは従業員をトイレにまで張り付けなければならない時代です。
 
ネットで、冷蔵庫に入って遊んでいる従業員が公開されますと、その店は、一旦閉店して、消毒をしなければなりません。昔は、店長が怒って終わりだったんですが。
 
企業は、「コンプライアンス」(注一)体制もとらなければなりません。ですから企業は、従来のコスト以上に金がかかる時代になりました。
 
その面で見ますと、日本の会社の利益率の低いこと、低いこと。
 
そして、今度は消費税のアップ(二〇一四年四月一日から八%、さらに二〇一五年一〇月一日から一〇%になる予定)。
 
消費税は、価格に転嫁できなければ、自社の利益を食うという恐ろしい性格です。
 
利益率を上げろ、こんなことも書きました。
 
──他業種のビジネスモデルを真似ろ!
 
利益率を上げるには、同業種比較ではダメなんですね。業種より業態と、よく言いますが、私は、他業種で利益率の高いビジネスモデルを真似るのが手っ取り早いと思っています。
 
それも一業種だけではない、業種のカベを取りますとビジネスモデル、いわば儲けの仕組みは、業種に関係ない、業種を超えた共通項があります。
 
ユニクロ、ニトリだけでなく、メガネのJINS(ジェイアイエヌ)、居酒屋チェーンの塚田農場(エー・ピーカンパニー(注二))  
だってSPA(製造から小売りまで一気通貫モデル)業態です。
 
ですから、業種で見ては絶対ダメなんですね。他業種で儲かっているところを、ベンチマークするのが、利益率向上のキモではないでしょうか?
 
ゆめゆめ同業者の集まりで、「儲かってまへんな」なんて言う同業者の会話に騙されて、安心してはいけません。
 
儲かっていても、「儲かっている」なんて言う同業者はいませんものね(笑)。
(注二)塚田農場(エーピー・カンパニー)の利益率は低いですよね。飲食は、SPA 業態にしても、利益率が低い。米山社長は、「飲食は、雇用を多くしている、究極のボランティア事業」と言っていましが…。

──方向性を読み間違えるな
 
こんな時代は、社長は、内向きで頑張るだけではダメなんですね。社長は、交際費を使え、外に出て、情報を取れなんて偉そうに書きました。
 
でも、従業員には、「頑張れ!」と言って下さい(笑)。ただし「頑張る」方向性が間違っていては、ダメですよ。