2-9.昼寝しないウサギになれ!

徹底的にマネをする
──やみくもでもダメ
 
私は極端に言えば、今の時代は、イソップ寓話と反対のことをやるのが、コツではないかと思います。
 
例えば、ウサギとカメの寓話では、ウサギは眠らなければ、絶対勝てます。
 
企業は、眠らないウサギになれ!  そのためには、やみくもに走っては疲れるだけです。
 
そこで、疲れなくて、休まないことを考えるのもトップの大きな仕事です。
 
そこで…。
──ベンチマーク&ファストフォロアー(迅速な追随者)
 
よく言う、「学ぶよりまねろ」です。かつて松下電器(現パナソニック)は、まねした電器と言われました。二番手商法と言われましたが、圧倒的な営業力で勝っていきました。
 
現代の松下は、S社だと言われています。
 
徹底して、ベンチマークして、すぐ追っかけて、シェアを上げる。
 
もちろん、独自性は否定しませんが、「なぜ日本の電機メーカーは、サムスンに聞かないんだろう」とユニクロの柳井会長は、どこかの雑誌で言っていましたね。
 
前述したように、ドコモは、なぜiPhoneをやらないんだろう。
 
メンツを捨てる。これもコツと言ったらドコモさんに怒られるかな?(笑)
 
横綱相撲を取ったら、負ける時代ですもんね。
 
平幕にも頭をつける横綱しか、これからは勝てない?
──他業種から、ベストプラクティスを
 
同業他社も大事ですが、ベンチマークは、他業種の進んでいる業種がいい。
 
サービス業は、C to Cで顧客に鍛えられている、小売りや飲食の優良会社に学んだほうが早い。
「早く立ち上げるには、①モデルをまねる、②仕組みと構造を勉強すること」(泉田豊彦氏)です。

─サービス業は小売りに学べ
 
弊社の社員手帳にはお客様のルールがあります。
  
①お客様は常に正しい
  
②もしお客様が間違っていたらルール①を見よ
 
これは、アメリカのスーパーの有名な標語をパクったものです。
 
でも、書いていただけではダメですよね。
 
たまに「本郷さんの標語は、かっこいいんだけどな」と、からかわれることもありますから、そんなにうまくいってないんでしょうね。
「顧客第一」は、ほとんどの企業が、掲げています。
 
この前も、消費者相手のある大会社の玄関の前に、駐車場は「役員専用」と書いてあり、業者専用口なんて表示もありましたから、建前と本音がこのぐらい違うものもない。
 
人間の本質は、「自分が第一」ですものね。
 
ある小売業は、“売り場”と言わず、“買い場”と言います。この方がよっぽどわかりやすい。
 
良いと思ったら、マネすればいいと思うんですが、ほとんどの小売業は、まだ売り場と言っていますから、顧客第一というなら、この辺から変えないといけないと思うんです。

ちょっとだけよ
──ちょっと、無理する経営
 
今の時代は、過度なノルマや高い目標値は、社長の頭の中にしまって、企業組織的には、ちょっと無理した目標が現実的ではないかと思います。
 
加藤茶では、ないですが、「ちょっとだけよ」これが今風の経営のコツではないか?
「部下に任せる。デッドラインをきめて任せる。一定量の仕事をやや多めにして、いままでと同じようなやり方では終わらないが、工夫すれば何とか完了できる量」(吉越浩一郎氏)
 
又、カルロス・ゴーン日産CEOは、「目標の設定こそ社長の仕事の核→厳しいけど達成ができるという目標」これがキモだと言っています。(「カルロス・ゴーン独白
 
日本企業
 
私なら再生できる」『文芸春秋』、二〇一二年一二月号)
 
ちなみに、同記事では、ゴーンさんを次の様に書いています。

「①就任後、一本足から五本足へ利益をもたらす柱を増やした
 
 ②ともかく行動を速く
 
 ③再生の手順は?
  
 コスト削減だけではダメ!
   
  イ、コスト削減
 
  ロ、成長戦略

  ハ、イノベーションを経て初めて再生可能
 
④短期も長期戦略も同時にやる
 
⑤クロスカントリーでビジネス展開
 
⑥トップが社員の信頼を得るには、実績しかない
 
⑦目標の設定こそ社長の仕事の核
   
厳しいけど達成ができるという目標

⑧方向性が正しいかいつも自問自答」
とても明快です。
──頑張り二割、リスク三割
 
私見ですが、ちょっと無理できる範囲は、二割ではないかと思います。
 
弊社では二割増しを通年の目標としています。
 
トリプルツーと言って
「①新規獲得二割増、②解約二割減、③生産性二割増」
 
二割までなら頑張れる?
 
これが、私の仮説です。
 
従業員は、冗談じゃないと思っているかもしれませんが。(笑)
 
話は飛びますが、企業がリスクを張る限度は、三割と、ソフトバンクの孫社長は言っています。
「トカゲのしっぽは、三割切っても生えるから、企業も同じだ」(「孫正義インタビュー」『週 刊東洋経済』、二〇一二年一一月二四日号)「買収しても追い銭は出さない。経営権を握ったら、現地(買収相手)にまかせない」(同誌記事より)
 
ちなみに、買収相手に経営をまかせた日本板硝子は苦戦していますものね。
「二〇〇六年、欧州の名門企業を六〇〇〇億円で買収。海外売上高を二割から七割にすると いう大胆な攻めの戦略は「日本ローカル」だった板硝子を「事業規模と利益・財務成績において世界ナンバーワンの板ガラスメーカー」(二〇〇六年の長期目標)に変身させるはずだった。
しかし、現状は大きく異なり二〇一一年三月期九〇〇〇億円を見込んだ売上高は五〇〇〇億円台にとどまっている。原因をさぐると「自分より大きな企業をコントロールする力量不足」
(二〇一二年四月に就任した吉川社長談)に行き着く。買収後の六年間を総括した結果「買収先に権限を渡しすぎた」との結論に至った。」(『日本経済新聞』、二〇一二年一〇月五日)
 
ゴーンさんといい、孫さんといい、名経営者は、単純明快です。
 
ところで、
「リーダーの人格だけでは、事業は成功できない。
リーダーと独裁は、ほとんど区別できない。
 
いい会社にはいい社長がいる。
 
組織とそれにあった、適切なリーダーが出あう運命にある。
 
出あわない限りどうにもならない。
 
人生と一緒。
 
よくない組織のトップの発言は、大体一般論と精神論が多い。
 
変化を叫ぶリーダーは変化しない。
 
強気一辺倒のリーダーは弱い。
 
リーダーの仕事は組織を強くすること。
 
自分だけ強くても何の役にも立たない。
 
起業家の人生、前半は、人がやらないことを自分がやり、後半は自分のやらないことを人にやらせる。
 
リーダーシップとルールの多くは、無駄な議論を避ける為にあるのです。
 
完璧を求める人はリーダーではない。」(『宋文洲猛語録』宋文洲著、ダイヤモンド社)
 
リーダーを一言で表現、名言です。ちなみに、宋さんのメルマガも逸品です。

【POINT】
①徹底して、ベンチマークして、すぐ追っかけてシェアを上げる。
 →平幕にも頭をつける横綱しか、これからは勝てない?
②ベンチマークするなら、進んでいる他業種がよい。サービス業は小売りや飲食の優良企業をベンチマークする。
③今の時代は、過度なノルマや高い目標より、ちょっと無理 した目標を設定する。
④厳しいけれど達成できる目標の設定こそ社長の仕事の核である。
⑤ちょっと無理できる目標の範囲は、「二割」。二割までなら頑張れる。