2-5.本当にデフレか

消費者物価
──平均値で見るな
 
これも草野さんが教えてくれたのですが、消費者物価指数を分解したのが次の図です。(図9)
 
消費者物価指数は、財貨とサービスに分解されますが、財貨はたしかに下がったが、サービスはむしろ上がっている。  
財貨では、テレビとかパソコンとかは、特にデフレが甚だしい。
 
これらの工業製品の価格は、国際的に決まるので、インフレターゲットを日本だけで決めて
もダメじゃないかという意見もあります。
 
安倍内閣のお手並み拝見というところでしょうか。
  『経営ノート二〇一二』では、物価が二極化している。企業防衛上、売上げインフレシフト、 仕入れデフレシフトと書きました。
その延長線上ですが、経営者として、今、やるべきことは、「自社の売上げをインフレに持っ
ていく、仕入れは、できるだけデフレ商品を仕入れる。」
 
こんな話を、自社の勉強会でしましたら、友人のあるトップは、「うちだ」と後で教えてく
れました。
 
成程、その会社は、売上げはサービスです。競合他社がないので、インフレにできます。
 
仕入れは、ITのシステムです。これは新規投資をやればやるほど、下がります。
 
すると、利益率が年を経るごとに上がってくる。
 
ともあれ、何回も言いますが、今どきは、平均値で見てはいけない。
 
消費者物価だって、こんなに開きがありますものね。  
でも、つくづく電機メーカーは大変ですね。
一〇年で一〇分の一になるような商品を売っていたら、誰が経営者でも、大変です。
次の図は、アメリカの物価上昇のデータです。
もし日本がアベノミクスで、インフレになるとすれば、アメリカでインフレになった業界を参考にできます。ホールディングス──エンドレス機構
 
上場会社でホールディングスに移行しているのは、一昨年のデータですが、三五一社(二〇一一年七月大和総研調べ)あるそうです。
 
それは、上場会社の約一割強の数字のようです。
 
私見ですが、ホールディングスは、とても使い勝手がいい組織です。
 
業種を問わず、無限拡張(エンドレス)もできますし、縮小もできますから、今風な組織とも言えます。
 
言い換えますと、持株本社には、無限にぶら下がりが可能ですから、ホールディングスは、 「 エンドレス機構 」(下谷政弘氏)なんですね。
 
一九九七年の持株会社解禁(独禁法改正)から、一六年経ちました。
 
そろそろ
「平成の財閥 」
が出る環境が揃った?
 
今日隆盛を極めている財閥系と呼ばれる会社は、明治時代のホールディングス(持株会社)
の枝分かれです。
 
歴史を見ても、ホールディングスは、成長のテコとなる組織形態、成長を後押しする組織であることは間違いありません。
 
又、M&Aの対価としての株式交換の制度もすごい。
 
株式買い取り資金がいりませんから、自社株が紙幣になります。  
強い会社は、お札要らずで、M&Aができます。
 
これだってホールディングスのエンドレス機能を後押ししますしね。
──経営の「二段ロケット」の開発、成功の為にもホールディングス化が必要
 
かつて六本木ヒルズ族がベンチャー企業として一世を風靡しました。
事業も順風満帆、女性にもモテましたから、連日鍋パーティーをやったと言われています。
今はどうでしょう。ご存じのように、大多数の会社は、失速し、今生き残っている会社は少ない。
 
ダメになった原因は、週刊誌的には、鍋パーティーのやりすぎとか、女性にはまったからだとか言います。この方が面白いですから。
 
でも、鍋パーティーをやりすぎたわけではなくて、事業の二の手(次の飯のタネ)が打てなく、もたもたしている間に、儲からなくなってしまった。これが、失速の本当の原因でしょうね。
 
言い換えますと、最初の事業で成功して、いわば、一段ロケットは成功した。
 
でも、二段ロケットを用意できなかった。
 
私は、ホールディングスの組織は、新規事業、次の儲けのネタを探すには、便利な組織形態ではないかと思っています。
 
ぶら下げていけば良いだけですから。
 
とりあえずやってみる、張ってみる。ホールディングスは、とても便利な組織形態です。
 
私は「誠」「真」で行こうと決めています。
 
マコト…
 
マ、マネる
 
コ、こだわらない
 
ト、とりあえずやる(笑)

【POINT】
①消費者物価指数は、財貨では下がっているが、サービス ではむしろ上がっている。
経営者として今やるべきことは「売上をインフレへ持っ ていき、できるだけデフレ商品を仕入れる」ことである。
②ホールディングス化によるエンドレス機能は、新規事業 や次の儲けのネタを探すのに便利である。
経営の「二段 ロケット」開発には、ホールディングス化がカギである。