2-4. 経済学で経営を考えてはいけない

マクロ経済と経営
──市場規模
 
下の図を見てください。この図は、私の知人の草野豊己氏(草野グローバルフロンティア代表URL:http://www.globalist-kusano. com/ )が作った図を加工したものです。草野さんは、ヘッジファンドに詳しく、ここ何年間は、その勉強会に出ています。
 
為替や株は、ここ何年間草野さんの予測が外れたことがありません。
 
サブプライムも当てました。
 
その思考方法を私なりに解説しますと(全然違うと草野さんに言われるかもしれませんが…。(笑))、リアル経済と、為替や株の動きはまったく関係ないということです。
 
よくメディアで、業績相場なんて言いますが、短期的には、あまり株価の動きと業績は、関係がないんですね。
 
私がバーチャル経済と勝手に呼んでいる規模が、図のように、リアルな世界経済の一〇倍もあります。(日本のおよそ一〇〇倍です。一〇〇分の一のリアル経済が、株価や為替に大きく影響するなんて、あまり考えられない?)
 
このバーチャルマネーが、一瞬に世界を駆け巡りますので、リアルな経済は追いつかない。
 
バーチャル経済が主役のリアル経済を食ってしまう、 Wag the dog (本末転倒)現象です。
 
いつでも、バブルも起こるし、はじけもします。
 
ですから、為替や株の動きで、自社の経営を考えてはいけない、自戒をこめてですが。(笑)
 
経済記事で今の景気を考えてはいけないんですね。
 
極端に言いますと、「株が上がった、景気が回復した」こんな記事があったとします。
 
でも、単にヘッジファンドが、買っただけかもしれません。
──売れない原因はマクロ経済とまったく関係がない
 
ですから、「これで景気が回復した、自社の業績も上がる」なんて、思わないことです。
 
売れない原因、低迷の原因は、外部要因というより、自社内の要因の方が多いんです。
 
繰り返します。日本は、経済が縮小しつづける先進国です。
 
これから、成長が続く新興国ではありません。
 
でも、まだ経済大国です。
  『経営ノート二〇一一』でも書きました。
 
イトーヨーカ堂の鈴木敏文会長(株式会社セブン&アイ・ホールディングスCEO)じゃないですが、「業績不振の原因を競争激化のせいにしてはいけない。自社の変化対応力に問題がある。」
 
実際には、経営環境の変化対応というレベルまで、考えるのは大企業だけかも?
 
中小は、それ以前の内部要因の方が多い気がします。
 
ですから、私たちの実際の経営は、あまり、マクロにとらわれない、もっと身近で考える、中小企業は特にですね。
 
余談ですが鈴木敏文会長の、「売上げは、景気より天気」これも名言です。
日本のように成熟した先進国の経営を言い当てて妙。
余談
──余談 1 、先進国はすべてバーチャル経済?
 
日、米、欧、かつての先進国は、儲けのネタが少なくなった。
 
だから、金融で儲けようとしたのが、米国、英国、でした。
  (不幸にも?日本はやらなかった。)
 
その差が、失われた二〇年日米の名目GDPの差になってしまったという話があります。
 
金融の専門家に、「もし、日本も金融経済に九〇年代舵を切っていたら?」と聞いたことが
あります。ウーンと唸ってしまいました。(笑)
 
シロートの私が言うのも変ですが、欧米と同じ、金融経済を志向していたら、名目GDPは、
伸びていたろうし、米国とのGDPの差も開かなかった?
 
まだ、中国に抜かれず、世界二位の経済大国であった?
 
日本の国債のGDP比も、今よりましだった?
「日本国債は解除不能の時限爆弾」なんて言われず済んだ?
──余談 2 、オーストラリア経済
 
バーチャル経済の影響が少ないのが、オーストラリアドルだと言われています。
 
オーストラリアの経済は、中国次第です。
 
中国への資源(石炭、鉄鉱石)の輸出が経済の軸ですから、中国経済が失速すると、オーストラリア経済もダメという訳です。
 
だから、為替も読みやすく、FXでも人気だそうです。
 
金利が高いので、日本での豪ドル預金の人気も高いのですが、為替を読んで、豪ドルを買ったり売ったりする個人投資家もいます。
 
為替がダメなときは、じっと、預金してれば、金利が稼げます。
 
能書きを言うばかりで、さっぱり儲からない私なんかより、よっぽど賢い。(笑)
──余談 3 、新財産三分法
 
以前、財産三分法というのが、ありました。現金、株、不動産に分散投資してリスク分散し、財産を保有することです。
 
今はどうでしょう?
 
今は、当時よりもっとリスクが高い時代です。
 
分散投資は、当時以上に重要です。
 
私見ですが、私は、現金、外貨預金、国内不動産、この三分法なのかな?
 
株は、右肩下がりの経済では、目減りする株の方が多いしね。
──余談 4 、そしてプラスワン
 
今の資本主義は、マネーマネージャー資本主義、いわゆる機関投資家資本主義と言う人がいます。
 
現代のバーチャル経済の世の中を、言いえて妙ですが、ボラティリティが高く、上がったり下がったり激しい相場が展開します。
 
私見ですが、こんな巨大なバーチャル経済下では、ノーリスク、安定投資、ローリスク、ローリターンなんてものはない、と割り切った方がいい!(笑)
 
どんな投資でも、ハイリスク。
ですから、新三分法以外のプラスワンの投資はいっそ「ハイリスクハイリターン」で行う。
 
最近、こんな気がしています。
 
不謹慎ですか?(笑)
 
でも会社でやってはダメですし、自分のお金でも、損しても影響がない額に止めておいてください。
 
少し前、仕組み債で大損した会社が多くありました。
 
その一人の経営者に聞いたのですが、営業利益が出ないので、これで、カバーしていた。(確かに最初は儲かっていましたから…。)
 
でも最後はズドーン。  絶対、我が社ではやらないでください。重ねて言います。(笑)
 
そう言えば、昔、有り金で競馬をやって倒産した会社がありました。
 
そのセリフ「これで起死回生を狙った。そして、すってしまった」
 
昔も今も考えは変わりません。(笑)

【POINT】
①バーチャル経済が主役の時代
リアル経済と為替や株の動きは全く関係がない。
  →為替や株の動きで
  自社の経営を考えてはいけない。
②売れない原因、低迷の原因はマクロ経済より自社内の要 因の方が多い。
  中小企業の経営は、あまりマクロにとらわれず、もっと 身近に考える。